土用
五行に由来する暦の雑節。1年のうち不連続な4つの期間で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつのこと。年に4回土用がある。
五行では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当てている。残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、これを「土旺用事」、「土用」と呼んだ。
五行思想
古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は火・水・木・金・土(七曜の命令)の5種類の元素からなるという説。5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。
日本の神話の中の五行
日本では中世以来、記紀の伝える神話を五行説で解釈しようとする動きがあり、水戸学などの儒学者や陰陽師の間でも議論がされた。諸説の中でも比較的有名なのは『神皇正統記』の説で、水徳の神が国狭槌尊、火徳の神が豊斟渟尊、木徳の神が泥土瓊尊・沙土瓊尊、金徳の神が大戸之道尊・大苫辺尊、土徳の神が面足尊・惶根尊だとしている。
土用の食べ物
春の土用の戌には「い」の付くものや白いもの
夏の土用の丑には「う」の付くものや黒いもの
秋の土用の辰には「た」の付くものや青いもの
冬の土用の未には「ひ」の付くものや赤いもの
を食べると良いとされ(土用の食い養生という)、特に夏の土用の丑の日には鰻を食べる風習が江戸時代からみられた。
土用の丑のうなぎ
日本で暑い時期を乗り切るため、栄養価の高いウナギを食べるという習慣は万葉集にも詠まれていて、古代に端を発するとされるが、土用の丑の日に食べる習慣となったのは、文政5年(1822年 – 1823年)当時の話題を集めた『明和誌』(青山白峰著)によると、安永・天明の頃(1772年 – 1788年)よりの風習であるという。

鰻を食べる習慣についての由来には諸説あり、「讃岐国出身の平賀源内が発案した」という説が最もよく知られているが、平賀源内説の出典は不明である。内容としては「商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の元に相談に赴いた。源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、その鰻屋は大変繁盛した。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した」というもの。